何とかお会計を終えて『瀬戸の花嫁』を熱唱する環を抱えるようにお店を出て、途方にくれる。大体なんでそんな古い歌を知っているんだこの子は。
さてここからどうしよう、と思っているうちに、歌声が止んだと思ったら、環がガードレールにもたれ掛かるようにして寝ている。
いくら小柄で細いとは言え、ぐっすり眠ってしまった成人女性はきっとずっしりと重みを増すだろうし、わたしひとりでどうこう出来るものではなくて。
「まずい……環?おーい、環っ、環ちゃーーーん!?」
軽く揺すってみるも、今まで大音量で歌っていたくせに嘘みたいにぐぅぐぅ眠っていて。
……これはいよいよヤバイ気がする。
嫌だ。こんな、会社の近くの居酒屋の前で途方に暮れる、三十路女性と泥酔するOL。なんて凄惨な図なんだろう。
こうなったら、いっそ本当に環の彼氏に何とか連絡をつけて……
「遠藤さん?」
さてここからどうしよう、と思っているうちに、歌声が止んだと思ったら、環がガードレールにもたれ掛かるようにして寝ている。
いくら小柄で細いとは言え、ぐっすり眠ってしまった成人女性はきっとずっしりと重みを増すだろうし、わたしひとりでどうこう出来るものではなくて。
「まずい……環?おーい、環っ、環ちゃーーーん!?」
軽く揺すってみるも、今まで大音量で歌っていたくせに嘘みたいにぐぅぐぅ眠っていて。
……これはいよいよヤバイ気がする。
嫌だ。こんな、会社の近くの居酒屋の前で途方に暮れる、三十路女性と泥酔するOL。なんて凄惨な図なんだろう。
こうなったら、いっそ本当に環の彼氏に何とか連絡をつけて……
「遠藤さん?」