オフィスの華には毒がある

ブブブブブ ブブブブブ ブブブブブ


突如、室内に響き渡るバイブ音。


「あ、すいませんちょっと出ます。……はい、塩井です、はい……」


塩井君がスマホで話している声を聞きながら、何となく室内を見渡す。


広い会議室。

こんなところの片隅で、何故かこっそりと仕事を進めていた主任。……なんで?


わたし、そりゃあ嫌だけど仕事なんだし、言われればちゃんと残業するのに。

まるでわたしから隠れていたみたいじゃない。

一人で大急ぎで仕事をこなして、結局予定より早く終わらせて部長にも誉められて。
その、功績を称える飲み会の場でも勿論一人で進めたなんてことは口にしなくて、わたしまで誉められたりした。


……なんか、変だよね。


「はい……はい、わかりました!失礼しまっす!」


ハキハキと塩井君が受け答えする声が会議室に響く。