オフィスの華には毒がある

「別に、那奈さんのなら、ふーふーどころか飲みかけでも全く問題ないですよ!」


こらこらこらこら。


整った顔に、楽しげな笑みを貼り付けて、至近距離でそんな台詞をはかないで。


斉木君にとっては、赤子の手を捻るより簡単なことだと分かっていても、顔が熱くなるのがわかるもん。


「んじゃ、ちょっと待ってて下さい」


くるっと向き直ると、心臓バクバクのわたしを放置して爽やかに自販機コーナーへ向かう斉木君。


その後ろ姿を眺めながら、落ち着け落ち着け、と自分に言い聞かせるわたし。



…だって、斉木君は、25歳。


わたしの、7つ下。


そんな若い子との軽いトークを真に受けて顔が赤いなんて、最悪だっつーの。

色ボケババアじゃん。