オフィスの華には毒がある

「ごめん、わたし……」


「え?」


訳が分からない、という顔をする斉木くんのあどけなさに驚く。

もっと、何て言うか……違う反応をすると思った。うまく言えないけど。


「どうかしたんですか?」


そう、ピンと来ちゃうかと思ってた。

だけど、斉木くんは絵にかいたような″キョトン顔″でわたしを見つめている。


「ごめん、体調悪くて、今日はちょっと……」


今時、小学生でももっとましな嘘をつけるって。なにやってんの、わたし。


「……大丈夫、ですか?」


斉木くんがその整った顔を曇らせる。
……ピンと来ないの?でも、わたしは気づいてしまった。


わたしが一緒に居たいのは、斉木くんじゃない。