オフィスの華には毒がある

「……あ」


実際に聞こえたかは分からないけど、主任の口は、そんな音を発したような形になっている。


フェロモンさんと、主任。


斉木くんと、わたし。


お店の入り口で、二組のカップルが鉢合わせしたような図になっているのかな。


あまりのことにびっくりして、斉木くんの手を振りほどくのを忘れて見つめてしまう。



「こんにちはー。うわぁー、お二人って仲、良いんですねぇ」


フェロモンさんが斉木くんに笑いかける。
わたしだってある程度顔見知りだと思うんだけど、華麗にスルーされてますが。


「違っ「えぇ、まあ。そちらも」


わたしの言葉は、強引なくらいの斉木くんの言葉と笑顔でかき消される。
斉木くんが、繋いだ手をぶん、と振ってくる。本当に止めてほしい。

今すぐ離したい。


……ていうか。