オフィスの華には毒がある

「同じお店に目をつけてたなんて、運命的ですね」


何やらウキウキと嬉しそうな斉木くん。

いや、違うし。
理由とか全然違うし。


「!!ちょっ……」


悶々と考え込み、隙を見せたわたしがいけないのか。

同じお店に興味があった、という事実で彼のテンション及び身体能力が上がったのか。


一瞬の隙を付いて、わたし達の手がしっかりとつながれる。


「ねぇ、ちょっと……」


「ちょっとだけで、我慢します」


言うと同時にぐいと手が引かれ、手の甲に柔らかくて温かい感触。


あ、と思った時にはわたしの手の甲越しに、いたずらっ子みたいな斉木くんの顔が見えて。

どうやら、手の甲にキスをされたらしいと気づく。

「……斉木くっ……」


いくら振りほどこうとしても、わたしの手は解放されない。