オフィスの華には毒がある

子どものように、ぶんぶんとつないだ手を振る、斉木くん。


やめてよー、と言うことも出来ず、何となく、心の中で思う。


″なんか、違うんだよな″


その違和感は、ほんの少しなんだけど、確実にあって。


勿論、信じきってない、というせいもある。

『賭けの対象にされた斉木くんとのデート』に猜疑心を持つなという方が無茶な話だし。


でも……それは、大分薄れていて。


自分でもその単純さに呆れてしまうけど、女友達の言葉の影響力は大きくて。
相談した結香が、『本当に斉木くん、那奈のこと好きなのかもよ?信じてあげればー?』と言ったことで、″そっかぁ″ なんて思ってしまう自分もいて。


それに、わたし的にも、『斉木くんは本当に何かの間違いでわたしのことが好きなんだ』と信じる方が、ずっと救われるわけで。