オフィスの華には毒がある

こんな真面目なトーンで話すのを聞いたことがないから、この人は誰?とまで思ってしまう。


そろり、と横顔を盗み見ても、見たことないくらい、緊張しているような表情。


……嘘だよね?

でも、少しずつ、なんとなく。


話を聞いてみようかという気になってしまう。


寧ろ、演技でここまでしょんぼり出来るのなら、それはそれで尊敬に価する。


「なんで、あんなことしたの?なんて、聞きたくもなかったんだけど……」


言ってから、何をやっているんだ、と、心のなかで自らつっこむ。


そんなの、分かりきっていることなのに。


「……俺が那奈さんをいいなぁと思ったのは、去年のカタログ制作のときです」


……はい?


とりあえず、話を聞いてみる。