オフィスの華には毒がある

「……とりあえず、起きてってば」


「嫌です」


いや、子どもじゃないんだからさぁ……。


いい大人が二人で道端に座り込んでいるのは、あまり格好のいいものではないし。


「話くらいなら、聞くから」


「本当に?!」


キラキラとした目でわたしを見るその顔は、やっぱり可愛らしくて、とてもあんな酷いことをした人とは思えない。


仕方なく頷くと、すくっと立ち上がる斉木くん。その、切り替えの早さがますます信用出来ないっつーの。


「どこで話します?あ、違いますよ、前みたいな、そういうことじゃなくて……」


それはラブホ連れ込み未遂のことを言っているのでしょうか。


……やっぱり、信用ならない。なんでわたし、話を聞くなんて言っちゃったんだろう。知らんぷりして帰っちゃえばよかったのに。