***
「はぁあ」
「……どうかしました?」
エレベーターの中で思わず出たため息を環に拾われる。
「……なんか出てた?」
「出てましたよ、何やら深いため息が。折角定時で帰れてルンルンなのに」
深いため息ではあるけれど、1日の仕事の疲れからくるものではなくて。
……結局あれから斉木くんに連絡はしていなくて。
でも、忘れていたわけではなく、寧ろずっと意識していたから。
その、疲労感と。
なんとか斉木くんと鉢合わせずに半日を過ごせたことへの、安堵感と。
これからどうしようという、不安感と。
……色んな感情が入り交じったため息。
側で聞いていて深いと言うのなら、きっと深かったんだろうな。
これから毎日こんな思いをするんだろうか。
迂闊に主任にしてしまったキスといい、なんだかわたし、厄払いにでも行こうかな。
「はぁあ」
「……どうかしました?」
エレベーターの中で思わず出たため息を環に拾われる。
「……なんか出てた?」
「出てましたよ、何やら深いため息が。折角定時で帰れてルンルンなのに」
深いため息ではあるけれど、1日の仕事の疲れからくるものではなくて。
……結局あれから斉木くんに連絡はしていなくて。
でも、忘れていたわけではなく、寧ろずっと意識していたから。
その、疲労感と。
なんとか斉木くんと鉢合わせずに半日を過ごせたことへの、安堵感と。
これからどうしようという、不安感と。
……色んな感情が入り交じったため息。
側で聞いていて深いと言うのなら、きっと深かったんだろうな。
これから毎日こんな思いをするんだろうか。
迂闊に主任にしてしまったキスといい、なんだかわたし、厄払いにでも行こうかな。

