オフィスの華には毒がある

そういうことができないから、賭けの対象にされてしまうのかもしれないけれど。



気がつくと、時間は大分経っていて、わたし達はデザートの、パンナコッタとミニフルーツタルトを掻き込むように食べ、お店を後にした。



結局、斉木くんはキャラ変更を試みて新しい女の子を捕獲しようとしているんじゃないか、なんて話で終わって。

そんな風にみんなと話して笑ったことで、何となく、斉木くんへの嫌悪感が薄れたような気がした。


″あんなしょうもない男″と、笑い飛ばせるまでは時間がかかるけれど。


無駄に傷つくのは止めようと思った。


好きだったわけじゃないんだから。



大丈夫、大丈夫。