オフィスの華には毒がある

ほんの一瞬だった気もするのだけど、かちゃ、と眼鏡がアスファルトに落ちる音がして我に返ったから、実際はもっと長い時間だったのかもしれない。


驚いた顔の主任と、また見つめあう形になる。


「えん……「主任、なんでそんなダサい格好してるんですか?いつも。前に見かけた普通の格好の方がまだましだと思いますけど、まぁ、ましかなっていう程度ですけど」


だめだ。どうしよう。
何やってんの、わたし。なぜか涙が出そうになる。


「俺……「ラブホ帰りの主任に助けられた時も、斉木くんと合意の上でした、前に会社で助けられた時も、わたしが誘いました、わたしそういう人なので、酔っぱらうとだめなんですよねー、これも明日の朝にはわたし忘れちゃうんで、いつもそんな感じなんで、主任も忘れてください」


口からでまかせにもほどがある、と言ったそばから脳内でつっこむ。