オフィスの華には毒がある

「まーそんな訳で、一応完成版、それ。上のオッケーは出てる。部数は、例年より増えるからまたそれはそれで」


そうか。
……意外と呆気なく終わっちゃったなーなんて。実際、一段落してから1ヶ月以上経つのに、そこからが更に忙しいはずなのに、わたし何故か大して関わってこなかったし。
残業だって、ほとんどしてない。


「……お疲れさまでした」


「あ。そうだ、今夜空く?」


……ハイ?
いや、そういうのサラッと誘うのはイケメンがすることであって……
て言うかわたし今日誕生日なんですけど……。


「カタログ完成お疲れ様、って部長が飲みに連れてくって言ってたよ、ライターさんとか総務の子とかも入れて」


……誕生日当日に会社の飲み会。

それってどうなんだろう。


「えーと……」


「那奈さん、お誕生日おめでとうございまーす!」


遅刻ギリギリで出社してきた環の不意討ちタックルで、視界が揺れる。