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ああ、あんな夢を見た朝から何故……と思いながら、出社するなり今一番会いたくない人に出くわす自分の運のなさを恨みつつデスクに歩み寄る。
わたしのデスク前に佇む冴えない後ろ姿。
……一体何のご用でしょう、と心の中で嫌味っぽく呟いてみる。
その念が伝わったのか、ふいっと振り向く安定の冴えない主任。
「おめでとう」
へ……
なにこれ。悪い夢?さっき見た夢をまたなぞってる?
「いや、もうほんと、おめでたくもなんともない歳なんで……今更、なにも、ねぇ?」
とりあえず、お祝いの言葉を精一杯打ち消す。社会人として正しいのか分からないけど、何でもない一日として誕生日の今日を過ごしたいわたし。
「……」
あ、れ?
広がる沈黙に恐る恐る主任の方を見てみる。

