……いくら刺激のない日々だったとはいえ。

さすがに、『ダサめな上司のいつもと違う雰囲気のギャップ』に、ここまで影響されるなんて、まずくない?


起き上がったついでに、枕元にあったペットボトルの水を飲む。


ぎゅこ、ぎゅこ、ぎゅこ。


部活後の男子運動部員みたいに部屋に音が響き渡る。


……何ともないと思っていたのにな。


はい、わたし。
今現在、32年と三時間半、生きてます。


何で、こんなタイミングでこんな夢を見るわけ?


そして、何故夢の中でヤル気満々だったんだ、わたし……もうやだ。


リアルに下着の心配とかして目が覚めるってなんですかそれ。



ばさ、と布団をかぶってもう一度目をつぶる。

中々眠りにつけなくて、こんな32歳のスタート、本当にイヤだ……と思い、どうにか眠くなってきた頃には、空が白み始めていた。