オフィスの華には毒がある

視界に入ってきた爽やか系のオトコの人。


その人が、すぐにこの胸のざわつきの元凶だと気づく。


その、無造作に揺れる、少し長めのアッシュブラウンの髪の毛。

何故か少し悲しげに見える、色素の薄い瞳。

着ている服……ああ、今日はそんな感じなんですね、と妙に納得する。


ブラウンのステッチが効いてる無地のかわいいTシャツに、コットンリネンの、クロップドパンツ。色が単なるアースカラーじゃなくて、何だか凄く深くていい色。
足下の、皮っぽいサンダルもいい感じ。


……だーかーら。

でででで出たーーーーーーーーーっ!

主任じゃないですか。別バージョンの方の。


この間は少ししか見なかったし、薄暗かったけど、今はさんさんと降り注ぐ太陽のもとで見ることができる。

……やっぱり。眼鏡を外しただけで、こんなに、醸し出す雰囲気が変わるのだとしたら、少女漫画はあながち大袈裟ではないのかもしれない。