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「晴れてよかったねー!」
「ねー!でも日差し強くない?早めにカフェで冷たいものでも飲みつつ、退散希望なんだけど……」
結香が、女優か?とつっこみ待ちのようなつばの広い帽子を直しながらちらりと空を仰ぎ見る。
「結香のその完全防備っぷり……」
「当たり前でしょー?これでも足りないわよ。6月の紫外線ナメてんの?」
わたしと結香は、真夏のように日差しの強い中、イベント会場に向かって歩いている。
結香は、あの斉木くん達と偶然飲むことになった飲み会のあとすぐ、気になる人と出逢ったのだけど、珍しく実を結ばず現在も彼氏がいない。
本人曰く、
『やっぱ若さって、大切!』だそう。
落とせるオトコのレベルが明らかに下がる、と嘆いていたけれど。
昼間から出歩くなんてヤダーなんて言いつつ、いざ、誘ったら楽しそうな結香。

