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――――ようやくか。

どのぐらい歩いただろう。長い道のりも終わり、白く大きな建物が見える。
だが、その前に門がある。

俺はその門の前に着いていた。


――にしても。。

ふと後ろを振り返り、左右の樹を見る。

―――やはり、この樹は普通の樹ではない。

この一直線に続く道を歩く際、あることに気づいたのだ。
道を挟むように立ち並ぶ大きな樹、この樹は僅(わず)かではあるものの、魔力を少しずつ吸っている。

俺の魔力も少しずつではあるが、吸われていた。

なんのためにこの樹があるのかは分からないが、俺は何事もなく、この道を歩ききった。

それだけでも、良しとするか。


「ほう。この道を難なく歩ききったか」

突然低く冷徹な声が聞こえた。

と、その時いきなり1つの人影が現れる。

そこにはある男が居た。
赤髪のウルフヘアー、朱と黒の甲冑(かっちゅう)を身に着けており、腰には聖剣であろう、武器が携えてある。


―――ただ者ではない……!出来るな。

直感だが、ただの聖騎士では無さそうだ。

完全警戒体制に入った俺は剣の柄を握り、赤髪聖騎士をきりっと睨む。

「あんた、何者だ」


時間が止まっているかのようだった。
張り詰めた空気の中、俺はただ相手の行動を待っていた。

答えるなら斬らん。

答えない場合は、、斬る。

その2択のどちらか……。

「そうか。貴様は私のことを知らんか」


俺の殺気をなにも気に咎めてないかのように笑う赤髪聖騎士……。

「私はここ"フリージア鍛練所"の聖騎士長を勤めている、ボルジャック・ユリーシア」