でも、彼は次の日、私の元に来てくれなかった。
いつものように次の授業の準備をしつつも、それでもいつも彼が入ってくる出入り口を意識して見つめてしまうー…
今日は来ないのかな…?
でも、昨日、“遠慮なく冬香ちゃんのところに来させて頂きます”、彼はそう言っていた。
でも、彼の姿は現れないー…
『冬香?』
不意に横から聞こえる、親友の声。
『…え?』
親友のいる方に視線を向けると、親友は首を傾げている。
『どうしたの?
今日はずっと廊下の方ばっか見て…誰か待ってるの?』
“ずっと廊下の方ばっか見て”
“誰か待ってるの?”
私の心の中で、親友が放った言葉達が何度も繰り返される。
私が、待ってる…?
『冬香、いつもの彼、待ってるの?』
夏美はにやけた顔で私を見ながら、そう問いかけてくるー…
『…いつもの彼…』
いつもの彼、土屋君のこと…?
私が土屋君のことを待ってる…?
『ほら、いつも冬香に“付き合って”って告白してきてくれる人!』
そう、彼はいつも、“俺と付き合って?”そう言う。
でも、まだ今日は彼からその言葉を言われてない、聞いてないー…
『冬香、今日ずっと彼が来るのを待ってるんじゃない?』

