自分の教室まで戻ってくると、出入り口からハルと夏美が笑い合っている姿が目に入った。
仲、いいなー…
ハルは夏美を想ってる、夏美もハルを想ってる、いつもあの二人からはそれが伝わってくるー…
『………私には無縁なんだな……』
そう、私には、こんな風に想われて想っての恋なんて出来ない。
『……あーぁ……これならまだハルを想って泣いてる方が良かったよ……』
拭っても拭っても溢れる涙は止まることを知らず、どんどん視界を悪くしていく。
『……好き、なんて気付かなければ良かった……』
そうしたら、期待しないでいられたのに。
そうしたら、今度こそは私だって想われて想っての恋が出来るって…
誰かの一番になれる恋が出来るって……
『………君の“好き”が聞きたいよ……』
もう、彼から言われることはない、だからこそ余計に聞きたかったな…
『好き』
聞き間違いだと思った。
あまりにも私が聞きたいと願ったから、聞き間違えるほど望んでしまっていたから…
聞き間違えでもいいー…
それでいいから、だから、私に“好き”の言葉を聞かせてほしい…
『冬香ちゃん』
その声に、私は振り返ったー…

