肌寒い風が街に吹く
その風は人工的ではない甘い香りを運んできた




「ねえお姉さん!あの花ってなぁに?」





たまたますれ違った街の少年に尋ねられた内容、それについて私は少年に不快な思いをさせないよう慎重に言葉を選ぶ


違う、慎重に選んだのは不快にさせないためじゃないそうでも理由をつけないと勝手に暴走しそうだから



本当は言いたい、あの人が、皆んなが勝ち取っててにいれたいまの“平和”苦しいのに辛いのに一番弱いのに一番強かったあの人が平和の記念として植えた花




「街の平和を表している花なんだよ、お姉さんのお友達が考えた・・・ね」





それは、誰?
聞こうと思ったんだろう、その少年は

けれど少年の友達が来たからかその質問は聞かれる可能性が消えた