『佐久間を手放してまで手に入れたんだもの、これからもっともっと幸せになるわ。
だから佐久間も、幸せになって……幸せにしてあげて』
軽く背をかがめて、遥に顔を寄せる。
何も言わずに閉じられた瞳が、僅かに上を向いた。
『佐久間の隣で笑う、その人のこと…』
重なり合った温もりを確かめるようにそっと体を引き寄せる。
外灯がポツンと灯った小さなその公園に人影はない。
人目を気にする心配もなく引き寄せた体を、今度は優しく抱きしめる。
触れ合った箇所から伝わる温かさが、じんわりと心に染みていく。
「僕も、君と一緒にいられる今がすごく幸せだよ」



