姉弟ものがたり



「お友達が?」

「うん!そうなの。
なんかね、一目見た瞬間にピンっと来たんだって」


ベッドの上で携帯越しに学の声を聞きながら、ゴロゴロと転がる。


「どんな人?って聞いたらね、綺麗って言葉がすごく似合う人って言うの」

「へーそれはすごく気になるね」


その人のことを語る時の幸せそうな友人の笑顔を思い出して、自然と頬が緩む。


「うまくいくといいね」


学の言葉に小さく返事を返すと、コロンとうつ伏せになってカレンダーを見上げる。


「今度の休みにね、二人でその人のお店に行ってくるんだよ」


しっかりとカレンダーに書き込んだ予定を確認すると、再び天上を見上げる体制に戻る。


「それは楽しみだね、寝坊しちゃダメだよ遥ちゃん」


電話の向こうでクスクス笑う学の声を聞きながら、僅かに頬を膨らませる。


「別に、いっつも寝坊してるわけじゃないもん!」

「それはそれは、失礼いたしました」