「いつまでおんなじところ拭いてるつもりだよ…おかずが並べらんないだろ」
テーブルを拭きながら昼間に休憩室で交わした友人との会話を思い出していると、呆れたような優のため息が聞こえた。
「はい、そこどいて!次こっち」
ビシッと指さされた反対側に移動しつつ、ぼんやりとテーブルを拭いていく。
「ねえ…」
「ん?」
夕飯のおかずが乗ったお皿を並べていた優に、ふと声をかける。
「ゆうくんはさ、そろそろ独り立ちしたい…とか思う?」
気がつけば、また同じところを何度も拭いていた。
「なんだよ急に」
驚いたように顔を上げた優が、手を止めてこちらを見つめる。
「家を出て一人暮らししたい…とか、彼女作って結婚してお父さんになりたい…とか」
はっきりと言葉にするのが嫌でもごもごと口ごもっていると、優が再びため息をついた。
「一人暮らしはわかるとしても、なんだよ結婚してお父さんって…。
話が急過ぎて意味不明だぞ」



