姉弟ものがたり



「僕もたまにするんだけどね。一人だと、どうしても面倒くさくなっちゃって、簡単なものしか作らないんだ」


学が笑ってお茶を啜る。


「俺だって、一人の時はそうですよ。どっかの誰かさんが、あれが食べたいこれが食べたいって喚き散らすから、仕方なくいろいろやってるだけです」

「どっかの誰かさんって誰のことだー!!」

「自覚があるなら聞くな」


ソファーから身を乗り出して抗議の声を上げる遥にため息をつくと、学がクスッと笑った。


「本当に仲がいいね、優くんと遥ちゃんは」


優しい眼差しになんだか気恥ずかしくなって顔を逸らすと、炊き上がりを知らせる音楽が軽快に鳴り響いた。


「出来たー?」


はしゃぐ遥を置いて皿に炊き上がったピラフをよそうと、温め直したトマトベースのクリームソースをかける。

出来たてのピラフを満足げに眺めていると、遥がソファーから飛び降りて駆け寄ってきた。