「いいか、学さんにお礼言うの忘れるなよ!それから、晩飯もちゃんと食えよ」
「わかってるって!」
休日の映画館は流石に混み合っていて、よく見れば異様にカップルが多い。
そんな中で、男二人に女一人という謎すぎる三人組は、一体どんな風に見えているのだろう。
上機嫌にキョロキョロと辺りを見回している遥は、きっと既にポップコーンのことしか考えていないのだろう、答える声が心ここにあらずだ。
「ポップコーン!ポップコーン!」
「全く……少しは落ち着いたらどうなんだよ」
飲み物を買いに行っていた学が商品を受け取って振り返ると、遥が大きく手を振って居場所をアピールする。
それはいいのだが、”ポップコーン”だけをひたすら連呼するその不思議な歌は、恥ずかしいのでいい加減やめて欲しい。
「お待たせ。これが遥ちゃんのオレンジジュースとポップコーンで、こっちが僕と優くんの。ジンジャーエールにしたんだけど、いいかな?」
「はい、全然大丈夫です!ありがとうございます」
ジンジャーエールを受け取ってポケットから財布を取り出すと、すかさず学がそれを手で制す。



