「あのね、その人はね」と学の隣に移動していく遥に、「何で姉ちゃんが答えるんだよ!」と堪らず突っ込む。
こちらを向いてわざとらしくベーっと舌を出してみせる姿から察するに、絶対にポップコーンの仕返しだ。
けれど、遥が子供より子供っぽいことなんて、生まれてから今までの長すぎる付き合いで嫌というほど実感しているから、もう諦めるしかない。
「先輩なんだよね?ゆうくん。大学のサークルの」
一応確認を取るように動いた視線に、学もつられるようにして遥から優へと視線を動かす。
「確か、映画研究サークル……だっけ?凄いんだね」
別に自分が褒められたわけではないのだが、驚いたような学からの賛辞が、何だか自分のことのように誇らしい。
「はい。その先輩、サークルが出来た当初の部員だったらしくて。写真でしか見たことないんですけど、先輩達から代々伝えられている伝説の人なんです」
昔々の話過ぎてちっとも先輩だという実感は湧かないが、それでも凄い人なのだということは話を聞いていればよくわかる。



