「わたし、ポップコーンとオレンジジュースね!」
「忘れ物してないか?鍵閉めるぞ」
学の腕を掴んで、ぴょんぴょんと跳ねる姿はやはり小学生。
どこからどう見ても、とっくに成人済みの社会人には到底思えない。
唯一例外があるとすれば、口を閉じている時だけは、大人っぽいワンピースのおかげで年相応には見える。
そんな遥の姿を横目に、優は戸締りを済ませる。
「映画のあとにご飯食べるんだよ?ポップコーンは、やめた方がいいんじゃないかな」
「お待たせしました」
どうしたものかと思案顔の学の元に小走りで近づくと、横合いから遥がガバっと飛びついて来た。
「ゆうくん!映画と言えばポップコーンだよね!!ポップコーンのない映画なんて、映画のないポップコーンみたいなものだよね!」
「映画のないポップコーンって……それ、つまりはただのポップコーンってことだろ」
微妙にとんちんかんなことを喚きながら縋り付いてくる遥を、何とか引き剥がして歩き出すと、学も苦笑しながらそれに続き、置いていかれそうになった遥も慌てて追いすがるように歩き出す。



