姉弟ものがたり



「いや、でも……せっかくのデートですし、二人っきりで行った方が良くないですか?だって、デートですよ」


恥ずかしさを堪えて二回も言ってみたのだが、学と遥はお互いの顔を見合わせて首を傾げると、ほとんど同時にまた優に向き直った。


「どうして?」

「デートは二人じゃないといけない、なんてルールはないよ」


二人揃ってキョトンとした顔をされると、何だかこちらが間違っているような気がしてくるから不思議だ。

もう少し粘ってみようかとも思ったが、二対一では結果が変わらないことは目に見えている。


「……わかりました。じゃあ、お言葉に甘えて、ご一緒させてもらいます」


実はこれは全て冗談で、了承した途端にまんまとはまった姿を二人して笑ってくれないだろうかとも思ったが、遥も学も予想を裏切るように大変嬉しそうな笑顔を浮かべて頷いていた。