大変いいお返事を残してリビングを出て行く遥。
それを見送って再びカップに口をつけた学は、一口飲んで思い出したように優に向き直った。
「そうだ、優くん。今日は、遥ちゃんが前から観たがっていた映画に行こうと思っていたんだけど、よかったら優くんも一緒にどうかな?」
学の予期せぬ発言に、内容を理解するための数秒ほどの間が空いた。
それから、ようやく理解した脳が、今度は驚きでパニックになる。
「はい!?あっ、えっと……いや、だって、そんな!」
にっこり笑って返事を待っている学の前でワタワタしていると、遥が上着を手に軽やかな足取りで戻ってくる。
「変わったダンスだね、ゆうくん」
無意識にワタワタと動かしていた手に、遥が不思議そうに首を傾げる。
ダンスじゃない!と突っ込んでやるより先に、遥に視線を移した学が口を開いた。
「せっかくだし、優くんも一緒に映画どうかなって思って、誘っていたんだ」
遥が拒否してくれることを願って顔を上げた先、見る間にその表情が嬉しそうに変わっていく。



