楽しそうにコーヒーを啜る学に気づかれないように、その隣に座る遥を鋭く睨みつける。
「ゆうくんってば、ここんとこギューッてなってるよ。そんな顔ばっかりしていたら、皺が取れなくなっちゃうからねー」
「……誰のせいだよ」
自分の眉間の辺りを指でツンっと突いてべーっと舌を出す遥に、怒りを堪えて拳を握り締める。
煽り方まで子供過ぎて腹が立つ。
「そうだ遥ちゃん、そろそろ時間だけど、準備の方は大丈夫?」
「ん?……あっ、そうだ!今日はまなぶくんと映画の日だったんだ」
今まで忘れていたのかと呆れたくなるような遥の発言にも、学は笑顔で動じない。
「外、寒い?」
「今はまだ平気だけど、日が落ちたら寒くなるかもね。一応薄めの上着、持ったほうがいいんじゃないかな」
「はーい」



