インスタントコーヒーでそんなに褒められると、なんだかくすぐったいような照れくさいような気持ちになる。
特に学は、あからさまなお世辞の雰囲気を感じられないから尚更。
「遥ちゃんが羨ましいよ。優くんみたいな素敵な弟がいて」
微笑みかけられた遥が、まるで自分が褒められているように、嬉しそうな顔で何度も頷き返す。
「いいでしょ!自慢の弟だよ、ゆうくんは」
「だから、まなぶくんでもあげられないな」と続いた言葉に「それは残念」と学が笑うから、恥ずかしいのを通り越してむず痒くなってくる。
だからついつい、早口で遥が怒り出しそうなことを口走ってしまう。
「姉ちゃんがこんなだから、俺がしっかりしないといけないんですよ。昔から朝は一人で起きられないし、家事はまるで出来ないしで見ていられないんです。一人暮らししたいって言わないのが、せめてもの救いですよ。そんなことされた日には、おちおち勉強もしていられません」



