姉弟ものがたり



「すぐ出ますか?よかったら、コーヒーでも飲んでいきませんか」

「ありがとう。じゃあ、せっかくだから頂いていこうかな」

「ゆうくん!わたしにも聞いて」

「どうせオレンジジュースだろ」


にべもなく言い放つと、遥が何も言わずにぷくっと膨れる。

そんなところが、本当にどうしようもないくらいに子供だ。


「オレンジジュースは体にいいからね。ほら、柑橘はビタミンが豊富だから」


「流石遥ちゃん、いいチョイスだね」なんて学におだてられて、途端に遥の相好が崩れる。


「……ほんと、小学生だな」


一気に機嫌が治った遥が、学の手を引いてソファーに並んで腰掛けると、お昼のニュースを眺めながら楽しそうにはしゃぎ出す。

その様子を一瞥してからやかんでお湯を沸かすと、その間にカップにインスタントコーヒーの粉末を入れて、冷蔵庫からオレンジジュースの紙パックを取り出した。