姉弟ものがたり


確かに、いつも家で作るスパゲティは市販のソースを使わずに手作りしているが、比べる対象が絶対におかしい。

けれど遥は、そんな優の発言が納得いかなかったようで、ビューラーを手に勢いよく振り返る。


「何言ってるの、ゆうくん!ゆうくんのお料理は、お店の味にも劣らない美味しさだよ!自信持って!!」

「姉ちゃんが何言ってんだよ……」


本当に、突然何を言っているんだ……。

呆れたような呟きが聞こえているのかいないのか、遥は手にしたビューラーをグッと握りしめて、優が作る料理について熱く語り続けている。

突っ込み続けると疲れるので、しばらくそんな遥の話を聞き流しながら、また見るともなしにチャンネルを切り替えていると、インターホンの音が聞こえた。


「学さんかな……」

「えっ!!まなぶくんもう来たの!?えっと、どうしよう……!」


テレビの端に表示された時計を見てポツリと呟いた声に、途端に遥が慌てふためく。

無駄話が多すぎるからそうなるんだよと密かに思いながら、ワタワタしている遥を横目にゆったりとソファーから立ち上がって、来訪者を出迎えに玄関へと向かう。