…―――タンッ、タンッ、タンッ、タンッ
闇の中にポッカリと浮かぶ満月の下で
屋根と屋根の間を飛ぶ、私の足音が辺りに響く
今日も平和ね、この街は…
あの後、荷物の整理を終わらせて
見回りまで時間があったから、リビングで寛いでいた
その時、海兄が帰ってきて、転校の詳しい事情が聞かされた
今、凰乱高校がある街がナニモノかによって襲われているらしい
捕獲官の数名が巡回に行ったけれど襲われ負傷
話を聞けば、黒い影を見たとのこと
しかも、その街だけでなくいろいろな街でその目撃証言がとれているらしい
ただ、その黒い影は捕獲官を襲ったっきり、誰も襲ってはいない
もしもの為にと、巡回を行っているけど、凰乱辺りだけは行われていないと
だからその代わりに、私が派遣された
一応、魔物の討伐で捕獲庁とは関わっているけれど…
得体の知れないナニカと戦う羽目になるとはね…
依頼だから仕方ないけれど
私は、世間ではこう呼ばれている
“魔物退治屋”と…――
依頼を受け、魔物を退治するのが私の仕事
通名は“ハク”
白く輝く髪が名前の由来
誰が言い始めたのか知らないけれど
服もちゃんと魔物退治屋用
黒の忍者のような服に、紫のマフラー
黒の厚底靴で
口元は黒のマスク
一時期はマントも着けていたけれど、重たくて辞めた
何故か変な異名も持っている
“黒銀ノ暗殺者”
私、暗殺者じゃないんだけれど…
