命ある限り


―――――…

――――…

―――…

――…

―…




コツコツと、私の足音が響く



不気味なくらいに誰もいないわ



「…なぜ……?」



「そんなの、皆テレポーションで登校するからに決まってるだろ」



突然後ろから、低い声が私に降りかかった



「……誰…?」



振り向くと、赤髪の男が立っていた



「お前こそ、誰だよ。侵入者か」



「転校生よ。理事長室へ行っているのよ」



「へえ…転校生なあ…」



意味ありげに、男は鋭い目を私に向けた



「お前知らねえの。ここには転校できないんだよ」



「…どういうことよ」



転校できないですって…?



「そんな説明、一切受けてないわ」



「それでも、それがここのルールだ。転校したいなら、凰乱の幹部に勝たねえと」



凰乱の幹部にですって…?



「幹部が誰だかは知らないわ。兎に角私は、理事長室へ行かなければならないの」



「けっ。部外者が、理事長室の場所が分かるわけねえだろ」



「…?どういう意味よ」



「ここの理事長室は、毎日場所が変わる。学園内の構造を理解出来てねえ奴が、理事長へたどり着ける訳ねえだろ」



なるほど…防犯ね



「そんなこと言われたって、理事長室へ行けと言われたのよ。その理事長に」



「んだと…テメェどこの回しもんだ」



回し者って…



「私は……」



「おーーーーい!命下柚希さーーん!」



突然、男の人の叫び声が私の言葉を遮った



「…前原先生」



金髪の癖毛をふわふわさせながら、眼鏡をかけた男の先生が駆け寄ってきた



「はぁはぁ…予定より早かったんだね。海君から話は聞いているよ」



「は…はあ…」



海君…って呼ぶことは、仲が良いのかしら



「先生。コイツ、侵入者じゃないんですか」



いつの話をしているのこの人…



「やあ、暁斗君。彼女は侵入者なんかじゃないよ。ほら、制服も着てるし」



制服……



彼、制服を着ていないけれど



普通の私服ね…



「制服とか久し振りに見た…」



「え?」



学校って、制服じゃないの…?



「まあまあ、話はここまでにして!命下さんは、僕と理事長室へ行こう。暁斗君は、教室へ行ってね」



「は…はい」



「ウッス…」



「それじゃあ行こうか」




先に歩き出した男の先生の後ろを不審に思いながら着いて行った