「行くか」
「うん」
家から出ると、明るい光が私を照らす
眩しさに目を細めた
「ほら」
そう言って、ヘルメットを投げてきた
それをキャッチして、被った
ふわり、とバイクの後ろに乗った
「出るぞ」
大きな音を出しながら、車庫を出た
上を見上げれば、空を飛んで通勤通学をしている人たち
箒に乗っている人もいれば、普通に飛んでいる人もいる
飛んでいる人たちが殆どだけれど、私たちみたいに自動車で移動する人もいる
長距離はテレーポーションを使うけれどね
所々で見える、私が通っていた高校の制服
……蘭に会いたい
女の子一人で大丈夫かしら
蘭は元々、龍乱の姫
ただ、守られるのは性に合わないらしく
喧嘩を教えて、と毎日お願いしていたらしい
毎日毎日お願いされて、最終的に優馬が折れた
最初はもちろん弱かったけど、今では大人数対一人でも余裕で勝てるようになった
意外と、そっちのほうが私たちもしっくりきたものね
龍乱の鬼龍姫―Kiryuhime―
そう呼ばれている
「もうすぐで着くぞ」
海兄にそう言われ、目線を上げた
「うわ…大きい…」
凰乱高校は、前の学校に比べ全然大きかった
だけど、赤煉瓦の高校の周りは鉄格子で囲まれていた
(高校…って言うより、訓練施設みたいね。もしくは刑務所)
キキィーッ
校門の手前で海兄はバイクを止めた
人は、一人もいなかった
(なに…なんでこんなに誰もいないの)
「理事長室へ行け……詳しい説明はそこでするそうだ」
「…分かったわ」
「それじゃ…気をつけろよ」
「勿論よ」
振り向かずに答えた
そして一歩、中へ入った
