【完】翼をくれたキミ

家に帰ると珍しく男を連れてない母親がいた。



あたしは無視して部屋に入ろうとする。



「お金足りないからくれない?」



まただ…



母親は、お金がなくなるとあたしにすぐせびってくる。



あたしだって、あんたに渡すために汗水垂らしながら働いてるんじゃねっつーの。



「男からもらえば?」



あたしは母親の方を見ないで淡々とそう言った。



「アンタ、誰のおかげで暮らしていけると思ってんのよ。親孝行くらいすれば?」



あたしは財布を開いて万札3枚を母親に投げつける。