【完】翼をくれたキミ

それが隼斗なりの優しさだってわかってるのに甘えられないのが本音。



「…あたし、疲れちゃった。帰るね」


  
そう言ってあたしは背を向けて帰ろうとする。



でも…



隼斗に腕を掴まれて前に進めなかった。



「これ、俺の連絡先。いつでも連絡してきていいから」



いつの間にか用意してたのか綺麗な字で隼斗の携帯番号とメールアドレスが書かれた小さい紙。



あたしはうんともなにも返事を返さないで歩き出した。