【完】翼をくれたキミ

「キミ、大丈夫?」



そう言って袋を差し出してくれたのは黒髪の優しそうな男の人。



あたしは、その袋をもらって息を整える。



「あの…、ありがとうございます。」



「キミならここに来てくれると思ったよ」



「え…?」



あたしってこんな人と対面したことあったっけ。



頑張って思い出そうとしても何も思い出せない。



そもそも、こんな綺麗な顔の男の人と知り合ったことがない。



「あたしあなたと知り合いの覚え無いんですが…。」