【完】翼をくれたキミ

その日からあたしは自分の存在価値を考えるようになった。



あたしは昔から母親に似てるっていわれるのがすごく嫌だった。



あの人の頭の中は男とお金で埋め尽くされてる。



『恋愛なんか馬鹿馬鹿しいのよ』



そう言ってタバコを吸う母親。



この言葉があの人の口癖だった。



『あたしはアンタみたいな生き方はしたくないから。』



『アンタはあたしの子供なんだから縁、切れるわけ無いでしょ?』



勝ち誇ったようにフッと見下したような顔をするあの人が本当に嫌い。