【完】翼をくれたキミ

あたしは怖くてそれを見ているだけだった。



「美麗も死ぬなんてことすんじゃねぇよ?」



「あたしが死んでも困らないんだから。なんで止めるの?」



そう言った自分の声は震えてた気がする。



「お前、自分の命いらねぇのか?…なら俺がお前の命をもらってやる。」



…え?



「俺がお前を救ってやる。」



隼斗はあたしの瞳を真っ直ぐに見てそう言ってくれた。