【郁哉side】



目の前に居る美麗は俺の瞳を真っ直ぐ見ていた。



「俺の母親は死んだんだ。」



俺は、まるで思い出すかのように話しだした。



俺は、親父、母さんの3人暮らしだった。



最初は親父は普通のサラリーマン。



でも、母さんは小さい服屋さんを経営していた。



親父が休みの日は親父も一緒に店を開いていた。



俺は、洋服を作っている親父と母さんの嬉しそうな顔を見るのが好きだった。