「美麗に触れるんじゃねぇよ!」

   

「オメェ一人で何ができるっていうんだよ。翼龍の幹部サン」



クックと喉を鳴らしておかしいように笑う男。



「お前ら、下っ端なんか指一本で倒せんだよ」



「なんだと?」



優馬のその言葉で殴り合いが始まった。



あたしは男にがっちり掴まれたままで見守ることしかできなかった。



殴る、痛々しい音が聞こえる。



「離してよ…ッ」