視力悪いから

首を横に振っていたのだ



何回も何回も



その首を止めると俺の目をまっすぐみつめ



「わ、私のこと……好き……ってこと……?」



と聞いてきた



静かに深呼吸をして口を開く



「うん、好きだ」



彼女は力が一気に抜けたようで自然な笑顔を浮かべた



「私ね、その、キス……されたの嫌じゃなかったよ。だから……私も君のこと好きなのかもしれない」



真っ赤な顔でさらに目を細めて笑う



俺もつられるように笑い



「次は“かもしれない”じゃなくて“好き”って断言させてやる」



髪をぐしゃぐしゃにしてやった









end