一呼吸程おくと、真っ紅だった刃が今度は徐々に色を失っていき白銀の煌めきを取り戻す。

ゆっくりとその刀、“奪魂”(だっこん)を丁寧に引き抜いた。

細心の刀に汚れが無いのを見届けると、鞘に奪魂を収め、亡骸には何の未練も無しに踵を返す。


風が強く吹いた。



すると突然。温もりを失い始めていた亡骸が、太陽さんさん。熱風吹き荒れる砂漠に放り出されたかのように一気に肌にみずみずしさが無くなり、身体中が干からびたかのようにしわしわになる。いや、干からびたかのように、ではなく、本当に干からびたのだ。


再び風が吹く。