桜花録【オウカロク】―囚われし真実―



「あの、すみません恭時様」
「どうした」


恭時の横の方から聞こえてきたおどおどした声に恭時は、目だけ向けて続きを促す。その対応にひっ……と少しビクつきながらも新たにやって来た兵士は、一生懸命言葉にしようと口を必死に動かした。


「そのっひ、ひひ姫君ならっ恭時様が来る少し前に御一人で、龍堂(りゅうどう)様の元に……」
「何!?御一人でか!?」
「は、はひぃ!」


いきなり大声を出した恭時に驚いて元々縮こまっていた体をさらに縮ませてしまった。小さく見えていたのが、さらに小さく見える。


「……すまないなありがとう」
「い、いえ!滅相もございません!」