「ああ……ショパンを弾くと自分が自分ではなくなる気がして、気がどうかなりそうで」
「もしかして、留学を辞退したのも?」
詩月はこたえない。
「ウィーンに推薦で留学できるんでしょう? ショパンが弾けないからって断るなんて、どうかしてるわ」
郁子は、詩月を睨むように見つめる。
郁子は詩月の実力をもってすれば、ウィーンでもドイツでも、イタリアでも、アメリカでも、何処の国の一流音楽大学への留学だって、思いのままだろうにと思う。
しかも、彼が辞退したのは、音楽科の学生ならば誰もが喉から手が出るほどの音楽大学、一流中の一流と言われる『ウィーン王立大学』への推薦留学だ。
「君には関係ないだろう?」
「すごいチャンスだわ! なのに何故」
郁子はピアノを弾こうとする詩月の手を止め、詩月の腕を掴む。
「もしかして、留学を辞退したのも?」
詩月はこたえない。
「ウィーンに推薦で留学できるんでしょう? ショパンが弾けないからって断るなんて、どうかしてるわ」
郁子は、詩月を睨むように見つめる。
郁子は詩月の実力をもってすれば、ウィーンでもドイツでも、イタリアでも、アメリカでも、何処の国の一流音楽大学への留学だって、思いのままだろうにと思う。
しかも、彼が辞退したのは、音楽科の学生ならば誰もが喉から手が出るほどの音楽大学、一流中の一流と言われる『ウィーン王立大学』への推薦留学だ。
「君には関係ないだろう?」
「すごいチャンスだわ! なのに何故」
郁子はピアノを弾こうとする詩月の手を止め、詩月の腕を掴む。



