雨に似ている  (改訂版)

――梅雨の空は、今にも泣き出しそうな雨雲に閉ざされている

詩月は雨雲に心まで覆いつくされ、何も見えなくなりそうな気がする。


今日も詩月は教授に、コンクール出場を迫られたが、丁重に断った。

教授の苦い顔。

「いい加減にしろ」と言わんばかりの険しい顔に、ただ頭を下げた。


――今は何度問われても、とてもコンクールになんて挑戦する気分になれないんだ。
わかってください

詩月は頭を下げながら、いつも思う。

そして、そんな気持ちを教授には理解してもらえないだろうと思っているし、理解してほしいとも思っていない。


――ただ、そっとしておいてほしい


そんな気持ちでいる。



雨は昼前に一旦止んだが、放課後にまた降り出した。

詩月は溜め息をつき、傘をさす。

雨足は朝よりも弱いのに、気温は少し下がったように思える。