雨に似ている  (改訂版)

貢が叫ぶと同時に、詩月の体が、スローモーションでも見ているように大きく揺らぐ。

詩月の腰が砕けるように体が沈み崩れ落ちる。

貢は慌てて詩月の体を支え、そのあまりの軽さに驚いた。

貢は思わず「……なんて軽い!?」と口に出す。

続けて貢は「どこか悪いのか?」と訊ねる。


「何でも……な……」

詩月は辛そうに、喘ぐような息をつきながら、声を絞り出す。

声は途切れて、言葉にならない。


「何でもないはずがないだろう! 立てもしない状態のくせに」

詩月の体が貢に支えられて尚、ふらつく。

「郁、保健室に知らせに行け」

貢に言われ、身を翻し走り出そうとする郁子の腕を、詩月は貢の腕を振り払い細い腕で引き止める。


「……大丈夫……だ」


貢はどこに、そんな力が残っていたのかと思う。


「……少し……休んでいれば……治まる……」